天は二物を容赦なく与える

書道の仲間でお顔が美しくて

字も綺麗な方がいる。

 

先日お稽古に行った際、

その方の隣の席が空いている

ようだったが、そこに座って

いた人が使用したであろう道具

が置きっぱなしになっていた。

 

教室で借りる硯は洗って、文鎮や

筆置きも所定の位置に戻す。

 

だが、硯に墨汁が入った状態だ。

室内を見回しても使用者らしき

人はいなかった。

「ココ、空いてますか?」と

私が美人の彼女にたずねると、

「はい。」

とのこと。

 

そこで思わず、

「放置ですか?放置?」と

若干不機嫌に誰ともなしに

言ってしまった私。

 

美人の彼女は

「私それ、使います。」

と、引き取ってくれた。

 

そういう時、騒がずに使うか

片付けるかのいずれにしても

静かに行動する自分でありたい

と思った。

 

彼女は顔も字も綺麗なだけで

なく、気遣いもみせてくれた。

 

天は私の様な凡人に容赦なく、

特定の人に二物も三物も与えて

いる、と感じる。