左利きと右手、そして両刀遣い

二刀流、というと格好いい。

右手も左手も同様に使いこなせて

武器を持っても両方フルに動かす

イメージだ。

 

私はもともと左利きである。

親がそれを嫌ったことから、右手に

道具を持つように強制され、2歳児の

頃、どもった。

(吃音症状を発したと言うべきか?)

 

発吃の原因を探るべく、私は病院に

連れて行かれた。

ちなみに家の真向かいが大学病院で、

入院患者さん達が良く窓越しに、私が

遊んでいるのを見下ろしていた。

その情景を中高年になった今でも記憶

している。

 

「無理になおさないで下さい。」

と医者が言ったらしい。

吃音の原因が利き手の矯正だとわかる

と、多分親や祖父母も厳しくなおそう

とする事はなかったのだと思う。

 

その辺の注意されて嫌な思いをしたと

いった記憶がないからだ。

だが小学校の先生とは母が連携をとって

いて、文字だけは何としても右手で書く

方向に計画が進められていた。

 

結果大半の動作は右手でするようになり、

必ず左手で行うのは歯磨きとお絵かきと

なった。

 

大人になった今、ペンも包丁もハサミも

全て右手で使う。

左手用の道具を揃える必要もなかったし、

習字に関しては右手が使えて便利だった。

 

だが、左手が出番がなくて悲しんでいる

気がする。

ピアノをやめてしまい、子供の為に絵を

描く必要もなくなった今、左手で何かを

表現することが生活の中で皆無だ。

 

せっかく生まれ備わった、左手の方が

覚えが早く動きがなめらかという特典を

今一度活かしていきたいと思う。

 

左手が喜ぶことをさせてあげたい。

誰からも矯正、強制されることがない今

切実にそう思う。

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