月明かりに導かれる

4時20分に目が覚めて、船窓から

外がそろそろ明るくなってきたのでは

ないかと勘違いしてのぞいてみる。


真っ暗な闇に対岸の灯りが揺れて

23時に就寝した時とさして暗さは

変わらない。


が、船側の波頭が明らかに夕べより白く

ハッキリ見える。

なぜ?と思って見上げると、月明かり

のおかげだとわかった。


古代の人が道標にしたであろうお月様。

(お月様か…。)

と安心する気持ちを覚えた。


誰かの暗い道を照らせる存在になりたい

と思ったのと同時に、自分も誰かに

照らされているのでは?と思った。


どこまでも暗く感じる夜も、雲間から

月が出てくれれば、また前へ進める。