歯医者テンマツー現在進行形②

「前に進みたいんです。」

と私は言った。


お盆休みが明けたら、やっと歯の

治療が始まる。

(どうか、それまでは歯茎が再び

腫れて痛み止めが効かないような

事態になりませんように)

と祈るような気持ちで過ごした。


8/16

金属がなかなかはずれなかったら

歯が折れる可能性もあると聞いて

いたが…、と膨らむ不安を抑えて

病院に向かった。


補綴科(ほてつか)という初めて

のセクションに行き、先生に

「よろしくお願いします。」

と頭を下げる。


が、今日は仮歯の型をとるだけで

強固な金属除去作業はまた後日と

言われた。


力が抜けた。

あんなに緊張して手に汗握って

勇気を振り絞ってきたのに…。

大袈裟なようだが、こと病院に

関してはヘタレの自分である。


海外にひとりで行くより、病院

に行く方が余程の決意を必要と

する。

ひと思いに今日やってくれ、と

いう私の願いをよそに、先生が

都合がつく日は1ヶ月後との事。


かなり、がっくりきた私は冒頭

の言葉

「前に進みたいんです。」

自然に発していた。

また1ヶ月、治療が何も進まない

のは耐え難いという内容の言葉を

淡々とつぶやいたところ、先生の

心が動いたらしい。


声高に焦りや不安を訴えた訳では

ないけれど、感情だけが人を動か

す、である。

演技は一つも入れていなかったし。


先生が次の治療日(金属をはずす

試みをしてくれる日)として提案

してくれたのは2週間後の夕方遅い

時間。

1ヶ月先から2週間縮まった!


言ってみるものである。

1ヶ月経たないと仮歯ができない

のかと思ったが、そういうことで

はないらしい。


というわけで2週間先には治療が

前進するメドがたった。

そしてまた、ヒドく痛んだりしない

よう祈る日々が続く。

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