あなたの声に愛はあるか

長年声に関わる仕事をした。

と言ってラジオのパーソナリティとかだったら

格好いい。声優でも好ましい。

(書きながら自分の本心に気づいて脱線する)

 

なんの事はない。契約確認で全国の大中小企業に

電話をかけていた。

相手はもう押印しているし、こちらから急に電話

をして仕事中にまた確認電話に付き合うのは面倒

だったと思う。

 

そこで、相手の話す速度に合わせる事と、できる

だけ良い声を出すように努めていた。

電話を切りたくなくなるような心地良い声を心が

けていた。つもり。

 

当時は、一つ一つの案件に愛情を持っていたので

それはさほど難しい事ではなかった。それという

のも仕事の内容はともかく、会社生活がメチャク

チャ楽しかったから。

 

自分が楽しい充実した時間を過ごしていたからこ

そ出せた穏やかな明るい声。彼氏と喧嘩しても、

会社に行っては忘れ、会社で嫌な事があっても、

プライベートで紛れ、人生のバランスってこんな

風にとれるんだなって思っていた。

 

以前は仕事先にかけると女性の取次の方も多くて、

そんな中に時々とても丁寧に話すけど、冷たい声

の方もいた。

綺麗な声だけど、伝言をお願いして短時間話すの

も迷惑そうにされてるなと感じる。

 

声の振動が人に与える影響は小さくない。所詮

電話なので人に危害が加わったりはしないが、

相手の話し方によってはその日1日嫌な気分を

引きずるような事もあった。

 

親しい友人や家族ならなおさら体調までわかる。

表情にダマされない分、意外にも声から読み取

れる情報は多い。

 

私は近しい関係の人だと良い声を出そうという

気配りもなくなって、さほど険しい表情をして

いなくても、声に苛立ちが出てしまったりする。

 

子供は特にそんな嫌な振動に敏感だ。

 

これからは嫌な振動をなるべく発さずに生きて

いきたい。

と、結局反省をしつつ結びます。

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