20数年前、イタリアに短期滞在する事を決め、
準備していたが、直前になって行くのをやめ
ようかと迷った。
当時、パートナーだった人の仕事が立て込み
日本に居て、日常生活を支えた方がいいかな
と思ったからだ。
それを彼に伝えると、行きたい時がタイミン
グだからと、思い切って違う土地で暮らす様
な体験を自分もできたらしたいし、中止はせ
ずに行けばいいと快く送り出してくれた。
現地で語学学校に通い、私と同じクラスに
あとから入ってきた日本人が大阪に住む人
だった。仲良くなってナポリ方面に旅行に
行ったりもした。
日本に帰国してからもお互いの家に泊まる
など付き合っていた。
そして、数年前、長年住みなれた関東を出
ることを決意し、新天地を求めていた私。
ニューヨークか、福岡か、大阪か。兎に角
西へ行きたかった。
ニューヨークは、とりあえず転がり込める
場所はあったものの、色々とクリアしなけ
ればならない問題がある。
福岡は、友人と呼べるほどの知り合いはお
らず、結局イタリア留学中に知り合った友人
のいる大阪に決定した。
知らない街でうまくやって行けるだろうか
と怖い気持ちもあった。
でも、よく考えてみたら、東京で出産して、
子育てをした街には、友達も親戚もいなか
ったんだった。
大丈夫、大丈夫。
ふたりの姑の力もほとんど借りずに、知人
もゼロの環境で仕事と育児を乗り切った私
なら大丈夫、と自分を励ました。
まして大阪は日本。ニューヨークのような
不自由さはないだろう、と楽観的に考えて
大阪へ転居した。
予期せぬ事に、最初の職場で多くの人と共
に仕事をする事になり、その場所で大阪だ
けでなく、兵庫、奈良、京都、滋賀の人達
と知り合う。ありがたい事に、4年経った今
でも、その内の十数人と交流がある。
そして大阪でモルックというスポーツと出
会い、また仲間の輪が広がった。
和歌山を含めた関西での輪が広がり、九州
や東京、鎌倉の人達とも知り合う事ができ
た。
あのまま東京にいたら、モルックには出会
っていなかったのではないかと思う。
移住した事で、自分の興味のありそうな事
にアンテナを張る様になり、基本的な生活
が変わったのだ。
思いきって選んだ場所があなたの人生を変
える確率は高い。
