経営者と語るコロナ前と後

自粛中に行き始めた美容院では、

オーナーにカットやカラーリングを

してもらっている。


わずか2席の小さな店だが、散歩中に

みつけ、髪の悩み事を解決してくれ

そうだと予約したのが始まりだ。


カラーリングされながら話してみる

と、他に2店舗経営しているという。

イケイケのスタイリストさんからは

ほど遠い、おっとりとした、牧歌的

な風貌からは想像できないやり手

だった。


3店舗経営している事から、美容院の

オーナー向けに集客のコンサルティング

もしているらしい。

正直、驚いた。

元々、コンサルもやりたいと思って

始めたわけではないそう。


自分の店の集客のために、セミナーに

通い、同じ人の講義を何度も聴きに

遠方にも出かけ、準備を手伝うように

なって先生と親しくなった。


その先生の紹介で他県からの希望者を

含め、オーナー向けコンサルを始めた

らしい。


自身がセミナーに通い始めた頃は自分

の文章にも自信がなかったそうだ。

毎日欠かさず店の出来事をブログに

投稿して書く事に慣れていった。


今では他店のサイトの広告内容を修正

したりするまでになったと聞いて、

コツコツと積み上げて変化するって

こういう事なんだな、と腑に落ちた。


コロナ以前は、セミナー用の部屋を借り

数人を前に話したり、一対一でカフェで

指導していたようだ。

今はもっぱらzoomで対応しているという

事で、やはり移動の時間等取られないの

が利点だ。


他県に店を構えるオーナーにまで頼られ

ているのに、一旦コンサルの仕事には

区切りをつけるという。


いま契約してみている人達で終わりに

して新規でみたりする予定はない。

家族との時間をとりたいから。娘が

小学校にあがるので一緒に過ごす時間

が欲しいし、相手にしてくれるのは、

あと数年かもしれないと。


でも、せっかく信頼されていて、まだ

指導を受けたい人もいるだろうに。

口コミで顧客が拡がりそうなのに。

なにより美容師さんとして店に立つより

体が楽そうなのに。


確率してた仕事を手放すと聞いて、

私はカッコいい、と単純に思った。


子供が子供でいる時間は短いからね。

人生に正解はないなんて常日頃思って

いるけれど、この場合は正解と感じた。


月並みだけど、こういう選択をする人は

来年も増えていくんじゃないかな。

営利を追求するだけだと生活の色どりは

単調になる。


日本に生まれたからには、少なくとも

今は常に身を危険に晒されることのない

この国にいる限り、もっと色んな道を

選択して、自由にスキルを身につけて

また、それを捨てて、大事なモノを

優先できる。

変化することを楽しむ人が増えていく

気がする。

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