山形のペンションで出会ったふたりの賢い女性

だいぶ前の話。

山形にあるスキー学校に毎年行っていた頃

何かの手違いだったか、いつも泊まる学校

スキーヤーズベッドが空いていなくて、

私と友人は近くのペンションに宿泊する事

になった。

 

近くと言っても温泉街の坂をだいぶ降りな

ければならず、ゲレンデが目の前にある

学校とは勝手が違った。

 

始めは、え〜という不満な気持ちで渋々

移動し、出迎えられたペンションの女性

オーナーふたりと初対面のぎこちない挨拶

を交わした。

 

何日かお世話になるが馴染めるだろうかと

いう心配は杞憂に終わり、美味しい夕飯を

頬張ると我々はすぐに打ち解けた。

 

他にスキー客がいなかったせいもあって、

夕食後もお茶したり、片付けを手伝ったり

しながら私と女友達、オーナーふたりの

女4人で恋バナに花を咲かせた。

 

お料理上手な女性は年下の彼氏がおり、

もう1人の本業英会話講師の女性も彼氏が

いると話していた。

 

でも、表向きはふたりとも彼氏なしの独身

女性。

その方が都合が良いらしい。

 

雪深い地方でペンションを営むとあっては

何かと男手が必要になる。

恋人たちはペンションを訪れる事はない。

 

スキー学校のメンズはふたりの彼氏いない

発言を疑う事なく、嬉々として降りしきる

雪の中、重労働をかって出ていた。

 

滞在中、そんな光景を目にした私は、人の

助けを必要とする時も、頭を使ってお願い

すべきと学んだ。