料理が嫌い

コロナ禍で、料理をする楽しさに

目覚めた人も多いと聞く。

そんな中での告白には多少の勇気

がいる。


長い間、料理が嫌いだった。

25才で自立するまで、3度の食事は

母に任せっぱなし。

お弁当まで作ってもらい、会社に

持って行っていた。


小学生の頃は、子供向けの料理本

片手に、チャーハンなど簡単な物に

挑戦した記憶があるが、年齢があがる

につれ、お手伝いすらしなくなった。


勉強やピアノのお稽古を優先していて

料理の手伝いを強要される事はなく、

それに長年甘えていた。


そして、25才で実家を出て、自分で

夕食を作ろうにも、そらで出来る

メニューなどひとつもなかった。


そんな私が自ら調理するようになった

のは、やはり人ひとりを育てる任務を

背負ってから。


栄養のバランスを考えて作らねば

ならない。

ひとり暮らしの時のように、仕事に

疲れてオムレツにマヨネーズをかけて、

おかずにする様な事はしたくなかった。


とはいえ、外の仕事と育児、家事を

並行してやっていた頃は楽しみながら

料理はできていなかった。


いま子供が大きくなって、ようやく

何を作ってあげようか、と普段から

情報を集める余裕ができた。


そして、もはや親のできる事として

美味しいモノ作る、くらいしかない。


偉そうな人生のアドバイスなんて、最も

煙たがられるし、深刻な悩みは到底親に

相談しにくく、したいとも思わない

だろう。


What can I do for you?

あなたのために私ができる事とは…


んー、これ美味しい!

自分で考えたの?すごい!


と言ってもらえるような料理を作って

提供すること。

それのみである。


喜んで食べてくれる人がいる限り、

料理が嫌い、なんて言っている

場合じゃない。

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